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NARUTOメインの二次創作ブログ / いのとシカ・キバ・サイ
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単独任務でこの国に来て二週間が過ぎようとしていた。
予定では帰還できるのは更にあと半月後だ。

町の中心部から少し外れたここは高台になっていて見晴らしがいい。 
そして深夜である今は人影はほとんどなく、辺り一帯が静寂に包まれていた。
俺は毎晩寝る前にここへ来て、タバコをふかしながらぼんやりするのが日課になっていた。

木の葉はあの山のずっと向こうだ。

出立の朝の彼女の笑顔を思い出す。 門まで見送りに行くといういのをいいから寝てろと俺は制した。
本人は平気さを装っているが 連日連夜の病院勤務で疲れがピークに達しているのは知っていたし
この時期 夜明け前の寒い中を歩かせたくはなかった。
支度が済むと俺はいのの眠るベッドの脇にそっと腰かけた。 すると布団からいのが顔を出し ふふと
柔らかな目で俺を見つめた。

「起きてたのか?」
「うん」

布団から差し伸ばされた白い手を握る。

「んじゃ 行ってくるわ」
「気をつけてね」
「お前もあんま無理すんなよ」


俺には帰る場所があり、待ってくれている大切な人がいる。 
その事実が ただそれだけが今の俺を動かしている。
最後に抱きしめた感触が懐かしい。 早くいのの懐にもぐりたい。 その暖かな場所へ帰りたい。
日に日に募る思いに 俺も相当重症だなと微かに自嘲しつつ 夜空へと煙を吐き出した。


煙が高く昇っていく。
見上げると月の光が優しく照らしていた。


彼女はもう眠りについただろうか。











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